【発電】弘前大学出身の社長を中心に創業

津軽バイオマスエナジー

再生可能エネルギーを作り出す 青森ならではの不要木を使う

津軽バイオマスエナジー
株式会社津軽バイオマスエナジー

津軽バイオマスエナジー

創業のきっかけは2011年の東日本大震災だったという。当時、平川市役所で農業・林業行政を所管していた奈良進さんは震災後、エネルギーのあり方について考え始めていた。そこに同年、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が成立。奈良さんに転機を与えることになった。

リンゴの剪定枝や廃木、林野の間伐材が放置されている現状に疑問を抱き、効率の良い活用策がないかを考え始めていた時だった。奈良さんは同じ思いを持った平川市内の有志たちと共に再生エネルギー発電の事業化を前提に勉強会を開き、その可能性を探った。地球温暖化による温室効果ガス対策といった機運の高まりも後押しとなる。そして2015年5月。津軽バイオマスエナジーは創業し、電気の供給を始めることになった。

現在の発電出力は約6250キロワット。平川市の全世帯(約1万4千世帯)の年間使用量以上の発電量となる。その発電事業は、津軽一帯から間伐材を集め、自社工場内で燃料チップに加工。チップを燃焼させた水蒸気でタービンを回し発電するというもの。1日210~240トンの燃料チップを作り、年間では7.2~7.4万トンの間伐材を使う。県内の間伐材で換算すると、約半分の量をリサイクルに活用していることになる。

青森でさらなる向上を目指す

津軽バイオマスエナジー

主な供給先は、平川市役所や体育館といった公共施設。「つい自慢したくなってしまう」と笑う奈良さんは、「林産物の活用という特質上、地方だからこそ事業化しやすい」と、創業の意義を説明する。青森県内では初めてだが、全国的に増えつつある再生可能エネルギー事業は今後、さらに関連サービス市場が拡大すると予測されている。また、地域資源の有効利用は地球環境に貢献するのみならず、地域経済への効果も高い。現在の従業員数はグループ会社を含め約60人。地元の雇用拡大にもつながっており、ボイラー・タービン主任技術者といった専門の職種には資格が必要となるが、知識やスキルのアップにより仕事の幅が広がるという。

今後は熱エネルギーの効率はさらに高め、隣地にハウス栽培などの園芸農業施設を作り、農産物の安定的な出荷ができるような取り組みにも挑戦していくと発表した。「10年前まではこんなことをしているとは夢にも思わなかったが、この地域のため、可能な限り次世代の仕事や雇用を作っていきたい思いはあった」。奈良さんはすでに、青森だからこその事情を活用した再生エネルギー事業の10年後を見据えている。

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