【基準2行動例】生き方ナビのPR活動と情報発信サークルHiromaruの地域志向性

出川 綾子(人文学部 現代社会課程 社会行動コース)

1.Hiromaruと地域との関わり方

———Hiromaruの取り組みと、入られた動機について教えてもらえますか。

hiromaru

出川:Hiromaruは、イラストや聞き書き、写真撮影など学生個々人が得意なこと・したいことを実現し、地域の魅力を冊子にまとめることを主な活動にした情報発信サークルです。具体的には、フリーペーパー【h】の制作をはじめ、キャリアイベントの企画運営、弘前中心市街地のマップ作成などを実施しています。

 私はもともと絵を描くことが好きで、デザインや広告に興味があったのでHiromaruに入ることを決めました。最初は“地域”のために何かしたいという気持ちはありませんでした。活動を通して地域に対しての愛着が湧いていった感じです。まずは自分が楽しめることが大事だと思います。冊子として形になった時や、その反応があった時などに得られる喜びも活動のモチベーションに繋がっていきますし、そうして地域への愛着も深まっているように思えます。今では私達の活動に注目していただいた方々から、仕事の依頼が届くこともあります。「誰でもできる仕事」ではなく、「Hiromaruだからこそできる仕事」といった依頼は嬉しいですね。

2.地域志向活動の職業との関連性

———Hiromaruの活動を通して、たくさんのことが学べているのではないでしょうか。

hiromaru

出川:弘前のショップやカフェ、商店街に関する情報発信の仕事をすることで、地域の様々な顔を知ることができます。例えば、大学生からすれば、カフェは「おしゃれなスイーツを食べながら、美味しいコーヒーを飲む場所」といったイメージになります。しかし、地域の社会人の方々にとって、カフェは「町の人々が集まり、コミュニケーションを重ねていく市民の憩いの場」であり、この役割をしっかりと果たしていくことがカフェの経営上、非常に重要な意味を持っています。このように、Hiromaruの活動を通して、地域の生活や職業のことを多角的に捉えることができるようになった気がします。

———今年の6月(平成27年)には、COC推進室コーディネーター野口助教の紹介を通して、出川さんには青森県庁が企画した「20代の生き方ナビ事業キックオフイベント“アイラブ青森トークショー”」の広告(チラシ)作成の仕事を依頼しました。この仕事は、普段のHiromaruの仕事とは少し違ったかもしれませんが、実際に仕事を行ってみて、どのような感想を持ちましたか。

hiromaru

出川:確かに普段のHiromaruの活動とは少し違いました。今回は県庁との仕事ということもあって、行政の方々と一緒に仕事する機会を持てました。またテレビ局のスタッフ(アナウンサーや取材クルー等)、デザイナー、大学の先生と一緒に働けたことも、貴重な体験でした。

 特に、ご一緒した方々の仕事の具体的なイメージを持てるようになったことは大きかったです。デザイナーの一連の仕事の流れ、一つの番組を制作するにあたっての流れ、行政職員のジェネラリストとしての役割などを肌で感じることが出来ました。以前のように、自分たちの興味の範囲内だけで活動しているだけでは、得がたい経験を積むことができました。

3.リアリティのある学び

———Hiromaruでの活動は、大学の学びとは一味ちがった面白さを持っているように感じます。

出川:大学での学びは学問をベースにしていますが、Hiromaruでの活動を通した学びは、自分たちの生活をベースにしています。

 大学の授業は内容的にも高度で、その社会的な意義も非常に高いものが多いと思います。しかし全体的に抽象的・一般的な傾向にあり、時として「自分自身の興味や個性、生活とは関係が薄いのではないか」と感じてしまうこともあります。一方で、Hiromaruでの活動は、自分たちの目の前の生活圏の中でとりおこなわれます。そこでの学びは、全てが生き生きとしたリアリティを持っているようです。

———地域志向の活動あるいは地域志向の教育の大きな魅力として、出川さんが指摘した「学生にとってリアリティのある学び」を挙げることができます。出川さんのような学生の存在は、弘大の後輩たちにとってロールモデルとなるだけでなく、COC推進室の目指す地域志向教育のあり方を考える際にも、実に多くの示唆を与えてくれるような気がしています。

(聞き手・編集:COC推進室 西村君平)

【基準解説】地域志向とはなにか —自覚的コミットメントから見た地域志向—
ページ上部へ戻る
トップページ